Voice…10

はい。Voice…シリーズの更新になります。

そろそろ、核心に近付かないとです(汗)



寝室の掃除をしていたリザは、ふっと考えた。


――あの時、彼女は何であんな話を?


『私の初めては、好きな人だったの。相手も初めてで、とっても痛かったわ…でも、すごく幸せだったのよ』


聞きたくなどなかった。 自分の初めては、見知らぬ男達だった…名も知らぬ…。

何故、あんな目に遭わなければならなかったのか?
自身にも隙があったが…だが、あんな手を使われてはっ…



『たっ、助けてくださいっ!!』

『――!? 何かあったんですか?』

衣服が乱れ、泣いている女性が、リザの元へ走って来た。
明らかに暴行を受けたのだろう、頬が赤くなっている。

『とりあえず、司令部で話を聞きますので…』

『わ、私の…恋人が…今…』

途切れ途切れに言葉を紡ぐ彼女の肩をそっと抱きしめて、リザは彼女の言う通りに道を進んだ。

遠くから聞こえてくる、罵声と悲鳴。確かにその場所だ。

銃を構えて、影からそっと様子を伺った。

(……人数が思ったより多いわね。一度大佐に連絡をっ)

背を向けた瞬間…
鈍器で頭を強打された。 その後しばらく、意識が飛び、気付けばベットの上で縛り付けられて…



「――――っ!!」

持っていたホウキを落として、身体が崩れた。
大きな音を立てたせいか、書斎にいたロイが、寝室に向かって走ってきた。

「…………」
そうだ。あの時、あの時の女性は…

「リザ、大丈夫か!?」

「…………」
大丈夫、です。

苦笑するリザは、ロイの手を掴んで立ち上がった。
気付いた真実を打ち明けるべきか? リザは悩んでいた。

「どうかしたか?」

だが考えた末、リザは言わなかった。
横に首を振り、何事もなかったように掃除を再開する。

まだ、核心がなかったのだ。 あの女性が彼女だという、決定的なものが…。

「…………」

「何もなければ、いいんだ」

ロイも多分、リザの異変を感じただろうが、言わないという一点張りならば、何を言っても無駄だと判断し、深く追求しなかったのだろう。

「…………」

ロイが出て行った事を確認してから、リザは自身の右手を見つめた。

銃を持つように、手を動かしてみた…が、震えるてしまい、形にする事が出来なかった。

銃に対する恐怖感からか? ずっと気になっていた事だ。 軍人ともあろう者が…ロイ・マスタングの副官ともあろう者が…聞いて呆れる。

右手をそっと左手で包み込み、静かに泣き崩れた。

ドアの向こう側から、それを見ていたロイもまた、きつく拳をにぎりしめていた。







アトガキ
ぼちぼち、核心を付いてきましたよ。特にリザちゃん。

最後の方の手の話。ずっと書きたかったネタです。 いや、ホントは最初の方にこの手ネタ(笑)を出す予定でした。

最後に…
大佐、ストーカーは止めようぜ?(激しく間違ってます)
Voiceシリーズ(終了) | Comment(0) | Trackback(0) |

Comment


秘密にする
 

Trackback

TrackBackURL → http://myifa.blog89.fc2.com/tb.php/79-57f77868